物語の主人公は誰か?









コミュ障オタク、口を開けばオタクの話しかしないので今日もオタクの話をします。





この間までオタクとアイドルの間に存在する愛は仮想通貨みたいなものという前提でエントリーを書いていたんですが、件の本国3日間の間にそのアイドルにその考えを根本から揺るがすような発言をされてしまいました。


華々しく3日間の終わりを迎える、本当に最後の挨拶でグループのリーダーが話したことなんですが、このアイドルを応援している理由を悟ったとともに混乱に陥りました。


以下翻訳引用です。



「どんな素敵な言葉よりも正直な心の内を話したいので、思いつくままに話しますね。本当にありがたくて、愛しています。数百回も、もっと言ったと思うけど、本当に本当に心から愛していて、恩返ししなければいけないと、メンバーたち全員思っているんですよ」



最高。


オタクの本能が最高だと言っています。アイドルの挨拶としては間違いなく120点でしょう。


でもやっぱり困るんですよね。

そんな満点の答えを貰って何が困るかと言うと、夢を見るのをやめられなくなってしまうことです。



こんな事言われたら本当の愛だと期待してしまうじゃないですか。
ある種の諦観を盾としてオタクをすることが難しくなってしまいます。その愛を拗らせずまっすぐ受け止めるってどうやってやるんでしょうね?


某俳優が言ってた「まっすぐ受け止めてほしい」というのがどれほど難しいことなのかいま実感しています。誰かにとっての表が他の誰かにとって裏なことって意外と多いですよね。



しかもぶっちゃけ人に愛されることというのが分からない(厨二くさい)。人に愛されたような記憶がほぼありません。他人に好かれるって本当にあるんでしょうか?
拗らせ喪女、友達少ない、オタクの三重奏を奏でているのでわかりません。


でもアイドルが愛されるのはその輝きによるものですし、やはり普通に生きてるだけで愛されようとかそういうのがおかしいんですよね。分かってるんだけどな〜!





挨拶の話に戻りますが、勝手にこちらがアイドルを消費してその輝きを浴びているだけなのにほんとうの愛まで貰えるなんてアイドルほんとわからないですね。

確かに私たちが出しているお金のほんの一部が回り回って彼らの血肉になっていることもなきにしもあらずなのかもしれませんが、別にそれだって本人達が真面目に仕事をしているが故の報酬ですしね…



でも消費者と供給者という概念に還元して考えると確かに供給者は消費者がいなくては潰れるだけなので「買ってくれてありがとう」というのは納得できますし、そういうことなんでしょうか?



今回のツアー、本当に挨拶がみんな120点で、驚くほどくれたら嬉しい言葉しか言われなかったんですよ実際。


「僕たちが輝けるのはカラット(オタクの総称です)のおかげなんです本当に。自分達は皆さんに力をあげたくてコンサートをしています」



とか、



「みなさんが僕たちをここに立たせてくれてるんです。ほんとに……ほんとに僕たちは何てことない存在なんですよ。僕たちを僕たちの人生の主人公にしてくれてありがとうございます。僕たちにとっても皆さん一人一人が主人公です。もっと頑張ります。」



とか、もうオタク冥利に尽きるというか、泣くしかできないですよね。最高。言葉選びからなにから全部最高です。



「僕たちを僕たちの物語の主人公にしてくれてありがとうございます」?最高。ほぼ全ての作詞作曲をこなすPDが言うことは違いますね。



言葉通り、彼らは主人公なんだと思います。
それぞれの人生の中で、実はその人生において主観を持った全員が主人公たりえるのですが、彼らは自分の物語のみを紡いでいる訳ではありません。


いわば番外編としてグループとしての物語を生きているのです。その番外編は、本編とは違い誰にでも作ることの出来る物語ではありません。

多くの人がその物語を認知すること、そして読み手がつくことこそがその物語を確かなものにします。特に概念的なものにおいては他人からの「存在する」という知覚がその存在を作り上げるからです。


番外編なので、その人の人生の全てを見ることはできません。それでもとても面白く、楽しい物語なのだと思います。

しかし同時にとても不安定で、未来のより見えないものでもあるのだと思います。そもそも全ての未来においてはっきりとその行く末を示すものがあるのか?と言われるとそれは否、なのですが。



しかし、彼らはその不安定で先の見えない未来に怯えながらもいざステージに出たらその板の上にしっかりと立って、スポットライトを全身で浴びて主人公を全うしてくれるからこそ「アイドル」であり続けるのだと思います。




青春のほぼ全てをつらい練習に捧げ、やっと報われたと思ったら擬似的な青春のど真ん中に13人で突然放り込まれても行く先を見失わず、自ら未来を目指せることがどれだけ難しいか。



それでも笑顔を崩さずステージに真面目に取り組むだけでなく、「〇〇にも挑戦してみたい」とか「〇〇を勉強中です」とか、そういう向上心すら見せてくれるアイドル、人間としてのキャパシティがメチャメチャ広いですよね。


彼らの目指す夢が一体どこにあるのか、実はオタクであるわたしも知らないことなのですが、その過程で叶えた夢がいくつもあることは知っています。この2年で本当に沢山のトロフィーを獲得しましたし、名声も評判も国内外から沢山得ましたが、その数字や声だけじゃ測れないくらい成長していることも知っています。


同期のグループの中では最も成功していると言っても差し支えないのではないでしょうか?
それでも彼らに慢心の文字は本当にありませんし、嘘じゃなく毎日成長しているんですよね。

爽やか、清涼、青春のまぶしさみたいなK-POPには比較的珍しい系統でデビューし、自主制作アイドルとして唯一無二の座を獲得した彼らですが「僕たちはまだまだなので」と言う姿は紛れもなくステージ上の戦士です。


そのハングリー精神が彼らに成功をもたらしているのだと思います。
「大人数グループでしかできないこと」「チームでしかできないこと」「個人でしかできないこと」全てを確立させ始めている推しグループ、きっと確かな未来をつかむのではないでしょうか?


本当に小さな事務所で、色々問題も浮き上がっているけど、それでも彼らと、それを支えるスタッフが彼らの物語の次のページをめくるのは確かなことですし、その隙間から輝きが漏れだしているのも知っています。



だからオタクがやめられないんですよね。生きているということは成長することです。

新鮮さもありますし、成長を見守るというのはやはりオタク活動として基本かつ非常に楽しいことなんですよね。生きているアイドルは毎秒新規描き下ろしです。

わたしが三次元アイドルに戻ってきたのはそういう理由もあるのだと思います。


こんなことを書きましたが、推しグループって今満18-22歳で構成されているんですよね。そうです、ほぼ同い年か下です。こんな怠惰な人間とですよ。


そんな子達が睡眠時間もろくに取れない中目もくらむようなステージをし、こんな素敵な言葉をくれるってとんでもないことじゃないですか?


確かに人生経験と踏んだ場数が飛び抜けて違いますが、それでも同い年の男の子達からこんな言葉が出てくることがまず驚きだし、心が優しすぎるし、アイドル以前にこれって人間性の問題なのかもしれないですね。


モーニング娘。のザ ピ〜ス!を思い出しました。『好きな人が優しかった(PEACE!)嬉しい出来事が増えました』、まさにこれですね。優しくなくてもいいけど優しかったらそりゃ嬉しいです。



お互いを思いやれるし、すごく礼儀がいいし、絶対調子に乗りすぎないし、オタクにも優しいし、オタク人生は長いですが、今までで一番、本当に最高のアイドルを見つけたなと思います。一年も応援してないのに早まりすぎですかね。


みなさんもSEVENTEEN、どうですか?顔のいい男が13人もいるので1人くらい好きな顔がいますよ(たぶん)。




推しグループの宣伝をしたところでそろそろ終わりにします。

本当に何の役にも立たないつまんない文章しか書けない。最初の方のエントリーの方がまだマシでしたね。