推し変をしましたという報告









数ヶ月前に、推し変をしました。




というか、本当はついこの間から、といったほうが正しいかもしれません。

ずっと迷っていたんですけど、1ヶ月間いくつかのイベントに行きながら考えてみて、わたしはたぶん気の迷いとか、代替案とかでこの人が好きなんじゃなくて、元推しと比べるとかでもなくて、単純にその人を応援したいんだろうな、と思ったからです。名古屋-東京の夜行バスの中で。





元推しのこと、本当に大好きだったし、嫌いになったわけではもちろんないんですけど、なぜかあの世界一きれいな顔も、愛らしい声も、わたしが好きだった全てが一瞬で光を失ったように、突然魅力的でなくなってしまったんですよね。昨日一昨日でやっていたコンサートには結局行かなくて、新アルバムも買いませんでした。




人間関係において嫌われることより興味を持たれないほうが怖いというのはよく聞きますが、興味を持たない相手って本当に何にも思わないんだなって改めて実感しました。わたしとアイドルの間に人間関係もなにもないんですけど、興味がなくなるっていう心の変化の急激さが恐ろしいなと思います。


好きの順位って一瞬で変わってしまうんですよね。わたしだけなのかもしれませんが、本当に一瞬で熱が引きます。好きじゃないかも?っていうのがなくて、ある日突然興味がなくなるんですよね。

あれだけ好きだったいろいろがどうでもよくなって、かわいいの一言も全然出てこなくて、音楽を聴いても何にも思わないんですよ。好きだったのに、思い出だっていくつもあるのに、今はその全てを捨ててでも推しについていきたいって思ってしまうんです。こわい。





ずっと中性的な美人が好きで、好みがわかりやすいと言われ続けて20年、海の向こうのアイドルにまで手を出した後でたどり着いた推しは、美人でもなんでもなくて、中性的でもなくて、細くも白くもなくて、わたしの好みとは全く逆の人でした。

男らしくて、かっこよくて、色が黒くて体格もしっかりしていて、誰にでも優しくて明るくて、今までわたしが好きだった人が月なら、今の推しは本当に太陽みたいな人なんです。これ前も言ったな。




本当に不思議です。なんでわたしはその人が好きになったのか未だにわからないんですよね。

顔が好きで、相手を思いやれる優しさと、それの滲み出たような表情の1つ1つが好きで、どこまでも真っ直ぐな歌が好きで、バカのイメージがあっても言葉の端々にしっかり29歳が出ているところが好きなんですけど、なんで好きになったのかは本当にわからないんです。冷めるのが一瞬なら、惹かれるのも一瞬なんですよね。

瀬戸内寂聴さんが「恋愛の雷」という言葉を使っていらっしゃったことがありましたが、恋愛ごとでないにしろ、雷に打たれるみたいなものです。それが光ったことすらわからないまま閃光に包まれて、気づけば自分はすでに雷に打たれた後なんですよ。好きになるって抗えないことだと思います。

いやこれ喪女オタクが何言ってんだ大賞だな






でも好きって本当にわからないですね。わたしが推し変したのって、果たして本当に元推しに興味がなくなったのか、それとも好きだけど順番が変わってしまって、2位以降はわたしの中ではどうでもいい存在であるというそれだけなのか。




推しのあの覗き込むような瞳と視線が合うたびに、元推しへの好きの気持ちが記憶の中から消えていくような気がします。

また恋愛の話になるのですが、男は名前をつけて保存、女は上書き保存というのもあながち間違いではないんでしょうか。人間を男女という2つのくくりだけで考えるのはいささか浅慮なことだとは思いますが、興味深くはありますよね。わたしは、人間のことはちゃんと名前をつけて保存できるんですけど、好きが上書き保存の人間だと思います。


たぶん誰かが好きって気持ちがほんとうは1つしかなくて、1人にしかあげられないんだと思います。並行して誰かを好きになることって本当にないんですよね。誰かを好きになったら誰かを好きじゃなくなるんですよ。




それって金銭、時間的な問題なんでしょうかね。富豪になったらみんな好きになれたりするんでしょうか?わからない。富豪にならないとわからないことなので、とにかく無限の富が欲しいですね。実験台になるので、誰か手始めに毎月500万円ずつくらいわたしの口座に振り込んでおいてください。

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そんな(どんな?)推し、一昨日くらいから現場が決まりすぎな気がする。

いや実際新人なので、お仕事があることってとてもいいことだと思います。既存のお仕事もそうだけど、新境地のお仕事もあって本当におめでたいことです。


オタクって推しの身長体重を知ってても、出身地や血液型を知ってても、好きなものと嫌いなものを知ってても、結局推しのことは本当のところなんにも知り得ないと思うんです。でも、推しの素敵なところは本当にたくさん知ってると思いますし、それをもっと色々な人に知って欲しいんですよね。わたしは。


それこそ今回のあるお仕事がものすごく新境地なんですけど、少し前のお仕事が嘘みたいに期待できる出来で、さらに可能性が広がったと思っています。




推しのこと周りに知られたくないって人もまあいると思いますけど、単純に人気度が上がれば自由度が多少上がって、本人がやりたいことをやるハードルが下がると思うんですよ。推しの夢はわかりませんが、こういう不安定な業界にいるからこそ夢があるならそれを叶えてほしいと思いますし、そのために色々したいって気持ちはあります。



いや相手30近くて自分21なのであまりに烏滸がましい物言いなんですけどね。

同じアラサーでも前の推しと違ってしっかりしてるんですけど、前の推しと同じような気持ちでオタクしてしまう。よくない。

今の推しはわりとお金もあるし、自己管理もしっかりしてるし、成長するタイプの人です。えらい。




どちらにせよ、オタクと推しは単純な金銭関係にありますけど、その中でわたしは推しが見たい、推しは稼いだり、たくさんの仕事をして夢を叶えたい、そういうWIN-WINがあればいいなって期待はしています。

オタクの妄言ですけどね。好きな人には幸せになってほしい、単純な気持ちです。



いや〜推し、幸せになってほしいな!いつでも幸せでいてほしい!形あるものもないものも、たくさんのものをくれるのでちゃんとお返しがしたいです。何が欲しいって言ってくれればいいんですけど、それもなんか違う気がするんですよね。プレゼントはあげたいんですけど、それって結局自己満足じゃないですか。


単純にファンとして現場に行って、お金を払って、応援していますと言い続けることが正しいお返しなのかなとも思います。わからない。それって本当に正しいあり方なのかはわかりませんが、茶の間よりはマシくらいの気持ちで生きていったほうがいいのかもしれない。

正しいオタクってなんなんでしょうね。21年生きてきたのにオタクがちっとも上手にならないです。





正解はないんですけど、それでもやっぱり正しいオタクでいたいんですよ。推しにとってわたしたちはファンっていうくくりで、個人的な好き嫌いは存在しうるけれども結局こちらに干渉してくるレベルのものではないとは思うんですけど、やっぱり嫌われるのは怖いです。


まともなら嫌われないんでしょうけど、あんまり自分がまともな自信がないのでどうにかまともになりたい。

これ毎年言ってない?




今回の現場は何ヶ月続くかわかりませんが、今度こそ長く続けばいいなあと思います。

現場通い始めって付き合いたてのカップルと一緒でなんでも好きなので今はすごく推しのこと好きですけど、半年後とかどうなってるんでしょうか。

1年前のわたしは今の推しのこと知ってすらいませんでしたし、もう1年前は元推しのことも知りませんでしたからね。激動のオタク。

明らかに熱し易く冷め易い飽き性ですが、そろそろ腰を据えて誰かを応援したいです。できたらいいな。




おわり