「思い出になった僕らを思い出して」










もうこのブログオタクメモになりつつある。連携してる意味あるのか?

最初はオタクとアイドル考察みたいなこと書いてたんですが、いま論じたいネタもないんですよね。本人達に会う日が本当に差し迫っているから冷静に考えられないというのもありますが。




さて、今日もオタクの話をします。
通常は日常で感じることとか、その日あったことを書くのがブログだと思うんですが、悲しいかな愚かなオタクなのでオタクのことしか考えてませんしオタクのことしか印象に残らないです。寂しくて空虚な人生ですね。でも楽しいです。



前のエントリーに書いたように先日本国でのコンサートがあったのですが、推しの所属するボーカルチームが何曲か新曲を披露したんです。推しは親友と曲を書いて歌ったし(最高)、ソロがある子もいたし、新しい魅力と才能の開花を見せてくれるようなステージでした。

その中で1曲、ボーカルチーム5人全員で歌う新曲がありました。「We gonna make it shine」という曲です。



しかしこれは実は新曲という訳ではなく、デビュー前、練習生時代の彼らが歌っていた曲で、唯一Youtubeにもアップロードされている曲なんですね。


(と言っても実はわたしの推しは練習生に加入したのが他のメンバーより遅かったせいでボーカルもダンスもまだ追いつけていないのもあったのか、その時点でこの曲を歌っておらずボーカルチームにも所属していなかったのでこの動画には参加していませんし、たぶん歌ったこともないとは思いますが…)





じゃあなぜ新曲扱いになるかというと、歌詞がほぼ変わっていたからです。

この歌は、練習生だった彼らがはじめてレコーディングした曲でした。デビューしていない立場の彼らにとってはそういう機会というもの自体稀有なものだったと思いますし、非常に思い出深い曲なんだと思います。


そして、彼らがデビューしてからは1度も歌われることのなかった曲でもありました。



理由はわかりませんが、アイドルがデビューして数年はやはり未来だけを見てまっすぐ走る必要があるからだと思います。過去に思いを馳せるのは今をしっかり生きられてから、ということなのでしょうか。




「新人アイドル」の肩書きはつい先日なくなりました。それは同時に新人らしいフレッシュさ、清純さだけで推すことができなくなったことを意味します。


しかしそれによって「新人アイドルだったころの自分たち」が生まれ、その対比によって彼らの輝きを際立たせることも可能になりました。がむしゃらに前だけを見て走ってきた彼らが、はじめて後ろを振り返ることができる時が来たのかもしれません。



それを証明しているのは、変更された歌詞です。


練習生時代では、

「この歌が聞かせる僕達が誰なのか知りたい?1度も会ったことのない僕達が誰なのか知りたい?」
「少しだけ待っていて 格好いい僕らを見せるから」
「僕の声が聞こえる 誰も聞いてくれない歌 前の見えない君と僕のための歌」

といった、それこそ練習生からオタクへの歌のような、彼らの不安と期待が入り交じったような歌詞でした。



一方先日歌ったものでは、

「この歌が聞こえたらあの時の僕らを思い出して 今はもう思い出になった僕らを思い出して」
「これからも永遠に素敵に君を輝かせてあげる」
「僕の声が聞こえる?もう一度歌ってみる歌 隣に君がいる 今は君に歌う歌」

という歌詞で、「We gonna make it shine」を歌った頃の過去の自分と比べるようなものとなりました。

この歌詞の比較だけでもオタクのわたしは泣けてきてしまいます。
これを自信を持って歌えるところまで歩いてきたんだなと改めて思いますね。




また、以前の「We gonna make it shine」で「it」が指すものはきっと彼ら自身の未来だったのだと思います。歌詞に明確にあるわけではないですが、彼らがこれからの旅路と、先の花道を夢見た歌なのではないでしょうか。


一方今回の「We gonna make it shine」で「it」が指すものは「君」です。この歌を聞いている「君」です。これを本当にアイドルからオタクへの歌だとするなら、「君」とはオタクのことです。



必死に前だけを向いて走る昔の彼らが見据えるものは未来ひとつでしたし、そのスピードで周りの景色なんて全然見られないくらいすぐ過ぎ去ってしまったのだと思いますが、今ではすこし余裕が出来、色んなものがその目に、耳に入ってくるようになったのだと思います。


そんな彼らの今の答えが、「永遠に、素敵に君を輝かせてあげる」なのだと思います。

昔を思い出して、と語りかけることでアイドルも昔の自分を描きだし、その姿を見守りながらこの歌を作り、歌ったのではないでしょうか?




例に漏れずこの曲を歌った時のコンサートでのコメントがあるので紹介します。以下翻訳抜粋です。


「元の歌詞が”この歌が聞こえる?僕が誰なのか気になる?”だったとしたら今は”この歌が聞こえる?あの時の僕らを思い出して”。初心を忘れずに、初めてのレコーディングにときめいて眠れなかった夜を思い出そうという気持ちで書きました」


最高。言葉選びが最高すぎるし、その心意気やよしという感じです。自主制作アイドルはこういう形でも気持ちを表現してくれるので本当にいいなと思います。





過去との対比と言いましたが、実際アイドルはもちろん最初からすごく人気があるものではありません。どんなアイドルだってファンは0からのスタートです。

彼らの最初の方の観客の数は30程度でした。そりゃ練習生なんて一般人との距離はさして変わらないですし、報われるかもわからないし、そもそも知名度なんてあったもんじゃないし、その程度のものなんですよね。

しかし観客が徐々に増えていって、小さなコンサートをやる頃には100、そして練習生最後、デビューのかかっているラストミッションでは1000、デビューしてその数は格段に増え、遂には万単位の人間を相手にステージを披露するようになりました。



そこまできて初めて、今までの道を振り返ることができるのがアイドルというものなのかもしれません。

それがこのコンサートであり、その結果が「僕が誰なのか気になる?→あの頃の僕らを思い出して」であり、「前の見えない僕と君のための歌→今度は君に歌う歌」なのだと思います。





しかし2年で過去と比較でき、こんなに自信を持てるほど推しグループは本当に大きくなったのか?というと、答えはYesです。実力もビジュアルも個性も非常に伸びましたし、人気も同様です。



本国では今最も勢いのある男性アイドルグループトップ3を指したEBSという言葉があります。
EはEXO、Bは防弾少年団(BTS)、そしてSはSEVENTEEN(推しグループ)です。正直オタクもびっくりなのですが、そこまで大きいグループとして名を挙げられる存在なんだそうです。

EとB、BとSの間はお互いかなり離れてはいるのですが、ここに並んで名前のあがることは本当にすごいことです。成長したね!レベルの話ではないです。デビューして2年でそこまで登った自主制作アイドルである推しグループ、本当にアイドル業界にしても音楽シーンにしても、非常に稀有な存在だと思います。




そんな存在になっても本当に初心を忘れないでいてくれて、ファンを大事にしてくれる、謙虚で優しく本当にいい子達なので、彼らがどれだけ大きなステージに立ってもきっとあの時のことを忘れはしないし、こういった気持ちをいつまでも大事にするとは思いますし、これからもそういうアイドルであったらいいなあと思います。


いいアイドルを応援できて嬉しいですね。最後にWe gonna make it shineのリンクを貼っておきます。暇すぎてどうしようもなくなったら見てみてください。